株式会社老人ホームセンター、ガンバ大阪と連携した「子どもプロジェクト」を展開 介護を身近に感じる体験機会を創出

株式会社老人ホームセンターは、老人ホームの選定を支援する「老人ホームコンシェルジュ」サービスを提供しています。
同社は、利用者から寄せられた謝礼を原資として一般社団法人「子どもプロジェクト」を運営し、高齢者と子どもが交流する体験機会の創出に取り組んでいます。
子どもプロジェクトは、プロサッカークラブ「ガンバ大阪」との連携によりスタジアムを活用したイベントなども実施しており、介護に対する理解促進と、子どもたちに介護を身近に感じてもらう事などを目的とした活動を展開しています。(取材・文:上田智也)

目次

「高齢者向け施設は当事者になるまで意識されにくい」という問題

現在、高齢化が進む中で、『介護』は社会全体にとって重要なテーマとなっています。

多くの人は老後においても、可能な限り自宅での生活を継続したいと考える傾向があります。
このため、高齢者向け施設(介護付き有料老人ホームなど)は事前に具体的に検討される機会が少なく、日常生活の中で身近に認識されにくい状況となっています。

ただ、実際には、怪我や病気といった突発的な事情により自宅での生活が困難となり、やむを得ず施設を検討するケースも見られます。

その際、十分な情報収集ができないまま、知人からの紹介や自宅からの距離といった限られた条件の中で選択が進められる傾向があります。

老人ホーム紹介サービス事業者は近年増加していますが、利用は全体の2割程度にとどまっており、多くの人に十分に認知されていない状況です。

介護や高齢者向け施設に関する情報は、必要性が高い一方で日常生活の中で触れる機会が少ないという課題があります。

写真の説明を記載してください。

高齢者向け施設選びを支援する第三者サービス

株式会社老人ホームセンターは、老人ホームコンシェルジュサービスを提供しています。

現在、高齢者向け施設は、種類やサービス内容が多岐にわたっており、個人で比較・判断し、自身の希望に沿った施設を選定することが非常に困難とされています。

同社はこうした状況に対し、利用者やその家族からヒアリングを行い、希望条件を整理したうえで、第三者の視点から適した施設を提案しています。あわせて、施設見学の調整や情報提供なども行い、選定から検討までを一貫して支援しています。

代表取締役社長の看舎 桂太(かんしゃ けいた)氏は、過去に親族が突発的な事情により高齢者向け施設を探す必要に迫られた経験を持っています。

「私の親族も突発的な事情により高齢者施設を探す事態となり私も協力しましたが、当時は施設の探し方や情報の集め方が分からず、限られた選択肢の中で意思決定を行わざるを得なかったです」といいます。

こうした経験を背景に、同様の状況に置かれる人の支援につながるサービスの必要性を感じ、株式会社老人ホームセンターを設立しました。

自身の実体験により、老人ホームコンシェルジュサービスを立ち上げた看舎氏

顧客からの謝礼を原資とした社会還元の取り組み

株式会社老人ホームセンターでは、創業当初より高齢者向け施設の相談を無料で受け付けてきました。

その中で、利用者から感謝の気持ちとして商品券お菓子などの謝礼を受け取る機会が増えてきたといいます。

同社では、こうした謝礼を自社内にとどめるのではなく、社会に還元する方法を検討し、2018年に一般社団法人「子どもプロジェクト」を立ち上げました。

現在では、施設の相談料を上限10,000円の自由価格と設定し、同プロジェクトにかかる費用は、その中で得られた資金を活用しています。

この仕組みにより、同社は利用者から寄せられた謝礼を原資として、子どもプロジェクトを運営しています。

子どもプロジェクトで行われる取り組みは、お客様からの謝礼で成り立っています

接点の少なさが生む距離感と、将来の担い手不足という現実

介護業界では慢性的な人材不足が課題となっており、今後もその傾向は続くと見られています。

一方で、一般の人にとって介護は日常的に触れる機会が少なく、関心を持つきっかけが限られている分野でもあり、特に子ども世代においては、高齢者と接する機会そのものが少ないケースも見られます。

また、近年は家庭環境の変化により、祖父母と同居していない世帯も多く、子どもたちは日常生活の中で高齢者と関わる機会がないまま成長することも珍しくありません。

その結果、介護に対して具体的なイメージを持ちにくく、距離を感じやすい状況が生まれています。

さらに、介護業界に対しては「業務が大変」といった印象が先行しやすく、職業として選択されにくい側面もあります。

こうした背景から、将来的な担い手の確保という観点でも課題が指摘されています。

同社は、こうした状況に対して、子どものうちから介護に触れる機会を提供することが重要であると考えています。

その中で、同社は『子どもプロジェクト』の活動を通じて、子どもたちが高齢者との交流や体験を重ねる機会を提供しています。

「出会い」と「体験」を通じて、人生のきっかけをつくるという視点

代表取締役社長の看舎氏は、これまで営業職や大手企業での店舗開発業務など、複数の業種で経験を重ねてきました。

看舎氏は、様々な経験を経て自身の価値観について「人生とは、どんな人に出会うか、どんな言葉に出会うか」だと話します。

看舎氏の持つこの考え方は、現在の同社の取り組みにもつながっています。

子どもプロジェクトでは、子どもたちが日常生活では触れる機会の少ない体験を通じて、多様な「人」や「価値観」に出会うことを重んじています。

近年、部活動の縮小や社会環境の変化により、子どもが体験できる機会は減少していると看舎氏は感じています。一方で、そうした機会は家庭だけに委ねられる傾向も見られます。

そのような状況の中で、同社は事業活動を通じて子どもたちに体験の機会を提供し、「きっかけ」となる場をつくることを目指しています。

自身の様々な経験を経て、「ひとは、経験の数だけ未来の選択肢は増える」と語る看舎氏

ガンバ大阪の協力により実現したスタジアムでの交流機会

株式会社老人ホームセンターは、プロサッカークラブであるガンバ大阪と連携しています。
子どもプロジェクトの取り組みに対して同クラブが共感を示し、協力が始まりました。

その後、同社はスポンサーとして同クラブを支援しており、現在は連携した取り組みが行われています。

同プロジェクトでは、ガンバ大阪の協力のもと、「パナソニックスタジアム吹田」内で「棒サッカー」と呼ばれるレクリエーションが行われました。

実際に行われた棒サッカーの試合です。子どもも大人も“真剣”です

イベント当日は、スタジアムという普段馴染みのない新鮮な環境の中で、子どもたちは勝敗にこだわりながら全力で取り組む様子が見られ、高齢者もそれに応えるように体を動かすなど、世代を超えた交流が生まれました。

看舎氏は次のように述べています。
「サッカースタジアムで棒サッカーという、特に高齢者施設が行うには前例のない取り組みでしたが、参加者の皆さんが楽しんでいる様子が印象的でした。イベントを実施する以上は、内容にもこだわりたいと考えています。今後も子どもプロジェクトでは、体験を通じて楽しさを感じられる機会を提供していきます」

このように、同社はプロスポーツクラブとの連携を活かし、従来の介護関連イベントとは異なる形で、高齢者と子どもが関わる場の創出を進めています。

日常の中では見ることができない笑顔が、そこにはあった

子どもプロジェクトが開催するイベントの現場では、高齢者と子どもが同じ場で過ごすことによって、日常とは異なる変化が見られています。

子どもたちも、イベントを介して普段触れる機会が少ない車椅子などを体験しています

特に、介護施設のスタッフからは、普段の生活では見ることができない高齢者の表情が印象的であったという声が寄せられています。

介護施設では、日々の業務がルーティン化しやすく、利用者との関わりも限られた範囲になりがちです。

そうした中で、イベントを通じて子どもと接することで、高齢者が自然な笑顔を見せたり、積極的に体を動かしたりする場面が見られたといいます。

また、施設によっては家族との面会機会が少ない利用者もおり、子どもたちと関わる時間が新たな刺激となるケースもあります。

実際に、子どもと一緒に遊ぶ中で楽しそうな様子を見せる高齢者の姿に対し、スタッフから喜びの声が上がったとされています。

こうした体験は、参加する子どもにとっても同様です。普段接する機会の少ない高齢者と関わることで、年齢の違いを意識せずにコミュニケーションを取る様子が見られています。

このように、子どもと高齢者が同じ場で過ごすことで、それぞれにとって新たな気づきや関係性の変化が生まれる機会にも繋がりました。

体験の場を広げ、高齢化を“身近なテーマ”へとつなげる取り組みへ

株式会社老人ホームセンターは、子どもプロジェクトの活動を継続しながら、体験の機会をより広い地域へと展開していく方針です。

これまでのイベントを通じて得られた反応を踏まえ、今後は開催規模や実施エリアの拡大も視野に入れています。

また、海外で行われている取り組みも参考にしながら、新たな企画の導入についても検討が進められています。

例えば、ルールを工夫したスポーツ体験など、年齢に関係なく参加できる内容を取り入れることで、より多くの人が関わる機会をつくることを目指しています。

さらに、ガンバ大阪との連携を活かし、「サッカー×介護」といったテーマでのイベント展開も想定されています。

子どもたちに少しでも介護に関心をもってもらうために、子どもプロジェクトは、「サッカー×介護」という新しい挑戦を行います

プロスポーツとの協働により、これまで介護と接点のなかった層にも関心を広げる取り組みが進められています。

看舎氏は、「イベントを通じて、高齢化の問題を身近に感じてもらうきっかけにつながってほしい」と話します。

日常生活の中で高齢者と接する機会が少ない中で、こうした体験を通じて意識の変化が生まれることを期待しています。

看舎氏は語ります。

「もし、子どもプロジェクトに参加をしてくれた子ども達の中で、一人でも高齢者や高齢者施設を身近に感じてくれる子がいてくれて、もしも、その子が道端で困っているお年寄りを見かけた時に『大丈夫ですか?』と声をかけてくれる未来があるとすれば、それは私にとって本当に嬉しい事です」

同社は今後も、子どもと高齢者が自然に関わることのできる場を提供しながら、介護に対する理解を深める取り組みを継続していく考えです。

【会社概要】
会社名:株式会社老人ホーム紹介センター
代表者:看舎 桂太
所在地: 大阪府大阪市北区天満2-5-10 天満橋ビル4F
公式ホームページ:https://roujinhomesc.jp/
TikTok:https://www.tiktok.com/@roujinhomesc?_r=1&_t=ZS-95lgP0CQnXY
Instagram: https://www.instagram.com/roujinhomesc/
YouTube: https://www.youtube.com/channel/UC-zG5NRqhXa8tlKshu1JYNQ

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